山形で一粒の宝石に魅せられて

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山形県は日本一のさくらんぼの産地

日本一のさくらんぼの産地、山形県。

なかでも特に栽培が盛んな地域は、東根市・天童市・寒河江市です。

さくらんぼが旬を迎えるのは5月下旬から始まり7月上旬頃まで。

毎年その時期は人手が足りず、各地で農家さんが収穫・箱詰めのアルバイトやボランティアを募集します。

今年、私も初めてお手伝いをしたのですが、他県から山形に移住した私には全てが初めてのこと。

今まで何気なくスーパーで購入していたさくらんぼは、農家さんの苦労と努力があってできているものだったのだと知り、これまで以上にさくらんぼの魅力に気づくことができました。

「さくらんぼはあまり食べる機会がない」「山形には行ったことがない」という方にもぜひ、知っていただけたら嬉しいです。

さくらんぼと一言で言っても、種類がたくさんあることをご存じでしょうか。

さくらんぼの品種

まずは、品種についてご紹介したいと思います。

紅さやか

早生種の紅さやかはさくらんぼのなかでも旬を迎えるのが早い品種で、5月下旬から6月上旬頃がおいしい時期です。出始めは赤色で酸味が強いですが、だんだん色が濃くなり終盤には紫黒色に変わり完熟する頃には甘みも強くなります。

佐藤錦

さくらんぼと言えば佐藤錦を思い浮かべる方も多くいるのではないでしょうか。まさにさくらんぼの王道品種である佐藤錦は、酸味と甘みのバランスが良く、山形で栽培されるさくらんぼの約7割を占めます。露地栽培の佐藤錦は6月上旬から下旬頃が旬ですが、温室栽培のものは4月下旬頃からスーパーで見かけることができます。

山形美人

佐藤錦の枝変わり品種である山形美人の最大の特徴は、真っ赤で美しい色合いの見た目です。1ヶ所、縦に1本線が入っているので、ほかの品種と簡単に見分けることができます。

甘さも十分にあり、酸味も感じられる大変おいしいさくらんぼです。

紅秀峰

晩生種である紅秀峰の収穫期は6月下旬から7月上旬頃になります。酸味が少なく甘みが強いという特徴があり、大きさも大粒なものが多く贈答品としても人気が高い品種です。

紅王

2023年、今年本格デビューをした新品種の紅王。3L~4Lサイズの超大玉で、その大きさは500円玉と比較されるほどです。今後出荷量が増えていくようなので県外でも見かける機会が増えそうです。そんな紅王の魅力は大きさだけではなく、糖度が高いことや果肉がしっかりとしていること、日持ち性にも優れているという特徴があります。

他にも書ききれないほどたくさんの品種があるさくらんぼ。「佐藤錦しか知らない、食べたことがない」という方には一度、食べ比べをしてみていただきたいです。

農家さんの作業は収穫・箱詰めだけじゃない

収穫時期に脚光を浴びるさくらんぼですが、大変なのは収穫・箱詰めだけではありません。

さくらんぼは農家さんの苦労と努力があってできています。

冬は枝の剪定、春は落とした大量の枝を拾う作業や木の消毒、実の摘果やその後大きくなってきた実に日が当たるよう葉を減らす作業、梅雨前にはハウスの骨組みに登り雨除けのビニールを張り、農業用のひもで留める。

収穫時期に強風が吹きひもが切れてビニールが剥がれれば、さくらんぼに雨が当たり実が割れてしまうため、再度ハウスに登り留め直す作業が必要になります。

ハウスには命綱なしで登るため、一歩間違えば大事故にもつながる危険な作業です。

このような作業行程があることを知る機会はなかなかないと思いますが、こうした農家さんの努力があってさくらんぼができていることを、もっとたくさんの方に知っていただきたいです。

さくらんぼの美味しい食べ方

最後に、私がおすすめするさくらんぼのおいしい食べ方をご紹介します。

と言ってもちょっとした工夫で、難しいことはなにもありません。

メロンや桃のように、追熟をしないさくらんぼのおいしさは時間との勝負。

収穫後すぐに食べるのが1番ですが、さくらんぼ狩りでない限りそれは難しいですよね。

そこでおすすめは、食べる前に氷水に浸すことです。

常温のさくらんぼを冷たい水に少しの時間浸すことで、皮のパリッとした食感が戻りおいしく食べることができます。

冷蔵庫で冷やす手間もないので、買ってきてすぐに食べたい場合などにお試しください。

いかがでしたでしょうか。

今年のシーズンは終わってしまいましたが、来年さくらんぼを食べる機会にこの話を思い出していただけたら嬉しいです。

ライター:みずたま

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